「泥棒話」千秋楽公演鑑賞後、大邱の名物料理である「チムカルビ」を食べに出かけようと東大邱駅前の観光案内所を訪ねると、「ここからバスで行けますよ」と親切にメモを書いてくれました。地図で確認するとかなり近そう。教わった番号のバスに乗り込み車窓観光を楽しんでいました。
東大邱はKTXは止まりますが、大邱の繁華街は大邱駅周辺。ここら辺が一番にぎやかな所かな、めざす交差点はまだかなと思いながらバスに揺られておりました。
バスは走ります。でもめざす交差点の名前は電光表示板に登場せず、気がつくと団地の中を走るバス。
少々不安になって、前の席の旅の相棒Dさんに声をかけると、
「たぶん循環バスだから大丈夫ですよ~」とのことでした。
「なぁるほど、遠回りしているわけね」とまたまたお気楽モードに戻って車窓に目を向けていると、
なんだかかなりだんだん人里離れていく感じ、しかもさっきまでいいお天気だったのに雨が降ってきました。
雨と共に車も増えて、妙に下っていく感じがだんだんだんだん強くなってきました。
気がつくと、バスに乗っているのは私たち二人きりになっており、この通りの猛スピードで見知らぬ街を突き進むバス!
人里離れてます、完全に!
この時点で「もう行くところまで(つまり終点まで)行っちゃおう」と二人とも覚悟を決めて、このアクシデントを楽しんじゃえという,やけっぱちモードに突入していたのに・・・・・!!
止まっているバスが見えます。さっきまで私たちが乗っていたバスです。はい、そうです、降ろされました。ありえないような話ですが、本当です。
「もう、ここで降りてくれよ。」
運転手はこのように言い放ったそうです。言葉がわからない私にも、彼の異常なまでの不機嫌さは十分すぎるほど伝わってきました。
そして、二人きりになった乗客(つまり私たち)は、雨の中、バスから降りたのでした。
バスは走り出したかと思うと止まり、しならく道の端っこに停車していました。
それが↑の写真です。あの不機嫌アジョッシは、たばこでもふかしてたんでしょうか?
振り返るとこんな風景でした。ここまでは人が住んでいるけど、この先はもう何もない、そんな感じの所で、降り続く雨をしのげる場所も見あたりません。
あとは逆向のバスに乗って戻るのみ。しばらく歩くと屋根付きのバス停がありました。
バスを待ちながら、二人で見た夕暮れどきの風景です。あとで調べたら大邱広域市を出てもう郡部でした。(笑)
バス停の路線図です。乗りに乗ったものでしょ!これだけ路線バスに乗る旅行者はそうはいないのではないかと思います。途中で降ろされちゃいましたが・・・。(爆)
その後、市内行きのバスに乗り半月堂駅まで戻り、そこから地下鉄で七星市場へ。
歩いて無事にたどり着きました。駅からお店まで、遠くはなかったですが、ほとんどが店じまいした市場はちょっと怖くて、なんだか必死に歩いて行きました。
チムカルビ横町の中で一番元気そうなこのお店に決定!
予定していた夕食時間から、約3時間後にようやくありつけました。やれやれ!でも無事でよかったねぇ。
チムカルビ登場!アジュンマが豪快にハサミで切ってくれました。
ものすごい量のニンニクが入ったヤンニョムは、甘辛いと聞いていましたが、甘さはあまりなくて辛みが効いていました。
ニンニクの半端でない攻撃(笑)に二人で食べれば怖くないと言いながら、次の日の夜にはM捜査官に会う予定だったので、「どうしよう!?」と心配するDさんがホントに可愛かったです。
忘れられない大邱の夜は、静かに更けていきました。